• その3:接点シートの構成方法

    接点シートの構成方法には主に3種類あります。
    回路が1コモンかマトリックスかということや、 使用目的、取り付ける筐体の条件などによって、どの構造にするかが決まります。

    1. 折り曲げタイプ
    折り曲げタイプ
    折り曲げタイプ

    1枚の接点シートを折り曲げます。接点シートは上下に分かれていません。
    コネクター部の接続テールは1本ですが、複雑なスイッチ構成を配線できます。
    折曲げ部分が多少(0.5mm程度)ふくらみます。

    ◆適応する回路:1コモン、マトリックス
    2. 櫛形接点タイプ
    櫛形接点タイプ
    櫛形接点タイプ

    上部接点シートと下部接点シートが分かれています。接続テールは1本です。
    下部接点が櫛型をしており、 上部接点を押すことによって導通する仕組みです。
    上下の接点シートを折り曲げないのでこの部分のふくらみが無く、仕上がりが1番きれいです。 ふくらみを気にする表面パネルスイッチに最適です。

    ◆適応する回路:1コモン、マトリックス
    ※マトリックスの場合は、ジャンパー回路(下記参照)を使用します。
    ジャンパー回路
    ジャンパー回路

    込み入った回路を配線する必要があるとき、キバンはスルーホールを使って両面パターンにすることができます。
    しかしメンブレンの場合はスルーホールが使えません。そのかわりに、ジャンパー回路を使用します。 これは、パターンの上に絶縁インク(レジストインク)を印刷して、その上に再度パターンを印刷するという方法です。
    上にも記したように、ふくらみが無くきれいに仕上がりますが、印刷工程が増えるので、 その分折曲げタイプより少しコストがかかります。
    回路の引き回しのスペースが取れない場合に、このジャンパー回路を用います。

    ◆適応する回路:マトリックス
    2本テールタイプ
    2本テールタイプ
    2本テールタイプ

    接点シートが上下に分かれており、接続テールも2本です。
    折り曲げタイプのようなふくらみは出ませんが、取り付け側のコネクタが2個必要になります。 このため取り付け側の状況によっては使用が限られることもあります。

  • メンブレンスイッチの取り付け方法の例

    メンブレンスイッチの裏側は両面テープになっていて、これを筐体や板金などに貼り付けて使用します。主な取り付け方法の例をご覧ください。

    メンブレンを筐体に貼り付けるタイプ

    メンブレンスイッチを筐体に貼り付けます。
    シートスイッチから出ているテール部を、制御基板コネクタに差し込み使用します。
    接触抵抗300Ω以下、使用電圧30V以下の弱電流用です。
    スイッチの最低ピッチ(スイッチの中心と中心の間の距離)

    板金を使用するタイプ

    メンブレンスイッチを板金に貼り付け、筐体に組み込みます。
    板金を使用するタイプ

  • 設計に関する注意点

    スイッチの最低ピッチ(スイッチの中心と中心の間の距離)

    a.エンボスの形状が直径10mmのとき : 14mm
    b.エンボスの形状が直径8mmのとき : 12mm

    スイッチの最低ピッチ(スイッチの中心と中心の間の距離)

    シートの外端からエンボス部の端までの距離

    ・最低4mm

    シートの外端からエンボス部の端までの距離

    シートの外端からテールの出し口までの距離

    ・3~4mm (テールが中間出しの場合)

    シートの外端からエンボス部の端までの距離

    表面シートの公差

    ・+0mm、-0.3mm

    推奨コネクタ

    [日本モレックス株式会社 FFC/FPC用コネクター]
     ・5597-NAPB(水平型)
     ・5597-NCPB(垂直型)

    [日本圧着端子製造株式会社 プリント基板用コネクタ/FFC用]
    [日本モレックス株式会社 FFC/FPC用コネクター]
     ・□□FE-BT-VK-N(トップ型)
     ・□□FE-ST-VK-N(サイド型)
     ・※□□:極数

    注:上記の値は参考値ですので、仕様によっては変わる場合もあります。詳しくは弊社までお問合せください。

  • 見積りについて

    メンブレンスイッチの見積りには、いくつかの情報が必要となります。基本的な必要項目を挙げますので、見積依頼の際に参考にしてください。

    1. 外形寸法、テールの長さ、テールが端面出しか中間出しかどうか
    端面出し
    中間出し
    2. スイッチの数
    3. 表面シートの色数

    デザイン上の色数(透明なフィルムに印刷しますので、ベース色や白・黒も含めてお教えください)、およびUV・スモーク印刷等の有無
    参考:表面シートのUV加工

    インクジェット印刷
    表面シートのUV加工
    4. メンブレンスイッチのタイプ

    クリック感の有無、エンボス加工の有無、LEDの有無、キー照光など
    参考(エンボス加工):クリックエンボスタイプ、エンボス加工
    参考(金属ドーム):金属ドームタイプ

    クリックエンボスタイプ
    金属ドームタイプ
    5. 抜き穴、透明窓があるかないか

    LED窓、LCD窓、7セグ窓がある場合は寸法もお教えください。

    LED窓
    LCD窓
    7セグ窓
    6. 使用環境

    例:防水・防塵性が必要、屋外で使う、高温になる場所で使う 等

    防水タイプ
    耐油メンブレン
    7. Lot数

    ※弊社のメンブレンスイッチは、全てカスタム製品となりますので、製品単価やイニシャル費は、製品の仕様によって全く異なります。
    ある程度(外形寸法など)の仕様が分かれば概算見積りをお出しできますので、全ての項目をお知らせいただかなくても大丈夫です。よく分からないことやお困りのことがありましたら、私たちが解決策を提案いたします。どうぞお気軽にご連絡ください。

  • キーの回り込みとは

    キーマトリクスで配線されたキーボードで、ある条件を満たして3キー以上同時に押下した時に 押下していないキーが押下されたかのような現象のことを回り込みと言います。

    例えば、図2のように"A","B","G"を同時に押下した場合、"J"を押下しなくても押下されたように認識されます。
    なぜ"J"が押下されたように認識されるかと言うと、最初にY1のラインに押下しているキーがあるかを調べます。これにはY1をローレベル(GND)にし X1,X2,X3に電圧をかけます。"A","B"のキーが押下されているのでX1,X2のラインはY1に 電流が流れローレベル(押下状態)となります。 しかし、X3はキーがないため電流は流れずハイレベル(開放)のままです。
    これで”A”キーと”B”キーが押下されていることが分かります。 同様にY2のラインについても調べます。 本来は"G"キーのみ押下しているのでX1ラインのみローレベル(押下状態)となるはずですが、 ここでよく見てみるとX2からの電流は、キー"B"、キー"A"、キー"G"を通って Y2に流れていきます。これはあたかもキー"J"が押下されているかの ように見えます。これが回りこみに因るゴーストキーです。

    各接点にダイオードを入れることにより回り込みを回避する事ができます。(図3)
    ダイオードをつけた回路ですと、X2からの電流はキー"B"を通りY1へ流れますが、ダイオードがあるためY2へは電流が流れません。
    w-100 img-fulid
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  • インターロック機能とは

    キーボードの複数のキーを同時に操作することをインターロックと言います。
    インターロックにはロックアウトとロールオーバがあります。
    ロックアウトの場合、複数のキーを同時に押下することが出来ません。
    ロールオーバの場合、複数のキーを同時に押下することが出来ます。
    しかし、ロールオーバの場合、キーの回り込みに因り押下したキーを認識できない場合があります。

  • キーボードのマトリクスにおける回り込みと対策について キーマトリクスとは

    キーボードにはキーマトリクスと呼ばれる格子状の配線パターンがあり各々のキーが接続されています。
    これを、1ラインずつセンスしていきキーの押下状態を検出する方法をとっています。(図1) この様にすることでより少ない本数で多くのキーの状態を検出できるようにしています。
    キーマトリクス

  • 納期は?

    通常3営業日以内の発送になります。

  • 代金引換手数料は?

    代金引換手数料は650円です。

  • 支払方法は?

    銀行振込と代金引換によるお支払いとなります。
    (銀行振り込みにかかる手数料はお客様負担とさせて頂きます。)
    (代金引換手数料はお客様負担とさせて頂きます。)